東京などの都県と比べ、いち早く緊急事態宣言を解除した大阪府。ここへきて新型コロナ感染者数が激増したことから、吉村洋文知事への風当たりが強まっている。実質的な前任者であり盟友である橋下徹氏はどう見るか。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(4月20日配信)から抜粋記事をお届けします。
吉村さんのしんどさは痛いほどわかる
大阪府で新型コロナ感染者の増加が止まらない。4月18日には過去最多の1220人の陽性者を確認し、これを受けて吉村洋文知事は政府に緊急事態宣言を要請すると表明した。
橋下 徹『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』(プレジデント社)
この件に関して、吉村知事が東京などよりも早いタイミングである2月末日をもって前回(2回目)の緊急事態宣言を解除したことが「早過ぎたのではないか」と批判されている。さらに医療も逼迫していることから、批判の嵐が強まっている。
昨年来、吉村さんのコロナ対応の評価はうなぎ登りだった。ところが、ここに来て一気に批判モードに転落だ。
政治家の評価なんてこんなもの。ジェットコースターみたいなものだ。「いちいち気にしていたら政治家なんてやっていられない」と思えればいいのだが、気にするなと言われても気にしてしまうもの。そういうときは、思いっ切り言い返してやるのも一つの手だ。僕はこれを多用していた(笑)
吉村さんのやつれ気味の表情をテレビで見ていると、そのしんどさが痛いほど伝わってくる。連日連夜、府庁内では協議、会議の繰り返しなんだろう。
分厚い資料を読み込んで現状を把握し、判断を下していく。ひとつの協議、会議で数時間もの議論、それをいくつもこなしていく。分からないところがあれば、自ら勉強して知識を補充していかなければならない。
加えて、コロナ対応以外にも知事の仕事は山ほどある。
それなのに、テレビでは朝から晩まで、僕のようなコメンテーターが、浅い知識で批判しまくり!!
「お前らが言っていることなど、こっちでは十分検討済みや!! その上で、苦渋の判断をしているんや!!」と、テレビ録画を見ながらひとりでつぶやいていた10年前の自分の姿を思い出すと懐かしい(笑)
「批判のための批判」では政治はよくならない
吉村さんは、僕ほど下品、短気じゃないから、そこまで怒りをぶちまけているかはわからないけど、それでもコメンテーターたちの批判にはそれなりに腹が立っているだろう。
それでもメディアが政治権力を批判することが民主主義の根幹。政治権力側は、言論で批判されることには、耐えるか、言論で言い返すべしというのが民主主義の流儀だ。
他方、メディア側も政治権力を批判することが使命だとしても、健全な批判をしなければ政治はよくならない。批判のための批判であれば、それはコメンテーターが出演料をもらうための手段にしかならない。
(以下省略/全文はメールマガジンでお読みください)
(ここまでリード文を除き約1000字、メールマガジン全文は約8800字です)
※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.243(4月13日配信)の「本論」から一部を抜粋したものです。気になった方はメールマガジン購読をご検討ください。今号は《【適切なプロセスによる意思決定】大阪府のコロナ対策、オリンピック開催の是非……正解が見えない中で「適切な判断」を行うための黄金則》特集です。
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