「オンキヨー」 破産手続きの開始決定|NHK 関西のニュース

大阪に本社があるオーディオメーカーの「オンキヨーホームエンターテイメント」は、資金繰りに行き詰まって経営破綻し、13日、裁判所から破産手続きの開始決定を受けました。
負債総額は、およそ31億円にのぼるということです。

破産手続きの開始決定を受けたのは、大阪・東大阪市に本社がある「オンキヨーホームエンターテイメント」です。
「オンキヨー」は1946年の創業で、高品質の音響機器メーカーとしてファンを獲得しましたが、スマートフォンで音楽を楽しむ人が増えたことなどから、徐々に業績が悪化しました。
そして、2020年度の決算で2期連続の債務超過に陥り、去年8月に上場廃止になっていました。
その後、スピーカーやアンプといった主力事業をシャープなどがつくる合弁会社に売却し、他社のパソコンやテレビ向けのスピーカーの受託生産に注力する方針でしたが、資金繰りの悪化を止められませんでした。
このため、会社では、13日、破産手続きの開始を大阪地方裁判所に申し立て、裁判所から開始決定を受けました。
負債総額は、およそ31億5000万円にのぼるということです。

【オンキヨー“心からおわび”】。
「オンキヨーホームエンターテイメント」は、「会社継続のためのあらゆる可能性を模索しましたが、厳しい資金繰りの中、債務を完済することができませんでした。関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけし、心からおわび申し上げます」とコメントしています。

【管財人“説明会も検討”】。
大阪地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた「オンキヨーホームエンターテイメント」の管財人を務める、小松陽一郎 弁護士が13日夕方、大阪市内で記者会見を開きました。
この中で、小松氏は「世界的なブランドの音響機器メーカーが急激に衰退していった。管財人としての責務を果たしていきたい」と述べました。
そのうえで、「上場していた会社でもあり、債権者もおよそ500人いる。債権者の利益のために意向も聞きながら、必要に応じて説明会を開くことを検討するなど情報を公開していきたい」としています。

【オンキヨーとは】。
オーディオメーカーの「オンキヨー」は、1946年の大阪・都島区で創業しました。
高級スピーカーやCDプレーヤーなどを生産し、高品質の音響機器メーカーとして世界からの評価も高く、レコードやCDの普及とともに、成長してきました。
会社では、その後も、ホームシアターシステムやヘッドホン、補聴器などの生産も手がけ、業績を拡大させていきました。
しかし、スマートフォンの普及とともに音楽配信が主流になるにつれ、レコードやCDを利用する人が少なくなり、高品質なスピーカーなどを使って音楽を楽しむ需要も薄れていきました。
売り上げの低迷によって業績が悪化し、会社では、海外ファンドによる出資を受けるための協議を進めてきましたが、合意を得られず、2020年度には2年連続で債務超過となり、去年8月に上場廃止となっていました。
その後、スピーカーやアンプといった主力事業を▼シャープと、▼アメリカのオーディオメーカー「VOXX」でつくる合弁会社に33億円で売却しました。
しかし、ことし3月には子会社2社の事業継続が困難となり、破産手続きの開始を裁判所に申し立てるなど、厳しい経営が続いていました。